2011年09月12日

パートタイム労働者の定期健康診断

質問

パートタイマーで、1日6時間、週5日働く主婦です。
会社で行われる定期健康診断を受けさせてもらえないのですが、パートタイマーだから外されているのでしょうか?

正社員が会社の費用で健康診断を受けているのが、うらやましいです。

回答

労働安全衛生法の定めでは、常時使用する労働者については、毎年1回の定期健康診断を実施することが、事業者の義務となっています。
健康診断を行わない事業者は、50万円以下の罰金が科せられる場合があります。

また、事業主には、安全配慮義務があります。
労働安全衛生法で健康診断が義務づけられているのは、労働者の健康状態をチェックしなさいよと念を押しているようなものなのです。

ところで、厚生労働省は、いわゆるパートタイム労働法の指針で、一定のパートタイム労働者にも健康診断を実施することを求めています。

一定のパートタイム労働者とは、以下の要件を満たす労働者です。
・期間の定めのない者、1年以上引き続き使用されている者、または1年以上使用される予定の者
・1週間の所定労働時間が、その事業場の同種の業務に従事する通常の労働者の3/4以上であること

ですので、1日6時間、週5日の労働であれば、定期健康診断の対象者に該当すると思われます。

労働基準監督署に申告し、救済を求めるのが一番スムーズな解決方法だと思います。

posted by アドバイザー at 17:38| 労働条件 | 更新情報をチェックする

2011年05月07日

試用期間の延長

質問

私は試用期間3か月で採用されました。2か月を過ぎたところで、業務の修得が十分でないのでさらに試用期間を3か月延長するとの通知がありました。

私としては日常の業務は支障なく行っていますし、試用期間が延長されることに思い当たることはありません。
会社は業務の修得が不十分だといっていますが、会社が業務について指導を行ったのは入社後2週間ほどだけで、その後は他の社員と同様に業務をこなしています。
(私の推測では、最近会社の取引量が減っているようですので、状況次第で解雇しようと考えているのでは、と思っています。)

試用期間中の賃金が低く設定されていることもあって、今後のことが不安です。
アドバイスをお願いします。

回答

試用期間とは、労働者の能力・適性や勤務態度などを評価して、正社員とするかどうかを判断するための期間です。

このため、試用期間中の労働者の解雇については、通常の解雇よりも会社側の権利が大きいとされています。

しかし、十分な教育指導を行わず、正当な理由に基づかない解雇を行った場合は、解雇権の濫用と考えられる場合があります。
(試用期間満了時には、この点に注意してください。)

試用期間の延長は労働条件の一つですので、事前の取り決め等が必要です。
(労働契約の際に、使用期間の延長がありえること及びその期間、延長が行われる場合の理由を、明示する必要があるということです。)

具体的には、労働契約時に、内容が記載された書面を交付するか、内容が定められている就業規則の交付等による周知です。

また、事前の取り決め等があったとしても、会社側の恣意的な運用は許されず、正当な理由が認められる場合に限られます。

試用期間の延長について会社側の対応に不備があるのであれば、指摘して会社と交渉すべきと考えます。
労働基準監督署に救済方法を、相談することも重要です。

ところで、試用期間について真っ当な対応ができないような会社には、他の問題も潜んでいるかもしれません。
労働条件・労働環境としてふさわしい会社かどうか、今後のためにも、会社を評価することも考えてみてはいかがでしょうか。

posted by アドバイザー at 22:38| 労働条件 | 更新情報をチェックする

2011年01月15日

会社からの損害賠償請求

質問

工場に勤める者です。生産工程の中で機械では対応が難しい部分があり、手作業で行う必要があります。
まれに手作業で失敗してしまうことがあり、その場合は修復が不可能であるため出荷できず、完全なロスとなります。

工場ではロスを発生させた場合に、原価相当の金額を弁償する規則になっているのですが、高額なために困っています。

労働者に弁償させることは、法律的に正当なのでしょうか?

回答

労働法令の中に、労働者への損害賠償請求の金額算定について述べているものはありません。

労働基準法第16条では、「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」と定めています。
この趣旨は、「損害賠償の金額を、前もって決めてはならない。」ということです。
ですので、使用者が労働者に損害賠償を請求することは、禁止されていないことになります。

したがって、民法の規定を基本として、損害賠償を請求することは考えられます。
労働者の労働契約上の債務不履行や不法行為について、損害賠償を求めるということです。

ところで、今回の質問は、債務不履行や不法行為に不法行為に該当するか自体が疑問です。
債務不履行や不法行為に該当するかどうかは、業務内容、労働条件、勤務態度、損害発生の可能性、使用者の損害予防についての配慮などから検討・判断されるべきものです。

労働者が弁償することおよび弁償額について、安易に受け入れる必要がない可能性が考えられます。

ところで、労働者の債務不履行や不法行為の場合であっても、労働者の責任を小さく評価する判例・学説が多いようです。
(労働契約の特性から、このような考え方になっているようです。)

posted by アドバイザー at 11:20| 労働条件 | 更新情報をチェックする