2012年08月02日

年次有給休暇の買い取り(買い上げ)

質問

私の働いている会社は忙しいのに社員が少なく、なかなか休みを取ることができません。

これって、仕方無いのでしょうか?

また、年次有給休暇は買い取ってもらえると友人から聞いたことがあるのですが、これはどのような制度ですか?

回答

年次有給休暇の未消化が発生するのは、本来問題です。

年次有給休暇は疲労の回復だけでなく、私的な生活の充実のために権利として認められているのですから、利用できないのであれば権利を侵害されていることになります。
(年次有給休暇を与えなかった場合については、罰則もあります。)

まずは、自分の希望する日をきちんと使用者に届け出てみましょう。
(それに対して使用者がどのような応答をするかです。)

使用者には、請求された時季に年次有給休暇を与えると事業の正常な運営を妨げる場合に他の時季に与えることができる、という時季変更権があります。

したがって、事業の正常な運営を妨げる場合には、労働者の指定とは異なる日に年次有給休暇を与えることができることになります。

しかし、年次有給休暇を必ず与えなければならないことに変わりはありませんし、使用者が人員不足を時季変更権の行使の理由とするには、使用者が普段から適正な人員配置を行っていることが必要と考えます。

ですので、使用者の対応次第では、労働基準監督署に指導・救済を求めるべきでしょう。

ところで、年次有給休暇の買い取り(買い上げ)ですが、原則として認められるものではありません。
(労働者と使用者との間で合意があっても、駄目です。)

なぜなら、労働者の当然の権利である年次有給休暇が、使用者に買収されることになってしまうからです。

原則と書きましたが、認められる例外には、時効により消滅した年次有給休暇があります。

年次有給休暇の請求権は2年で時効となりますので、消滅した部分については買い取り(買い上げ)も可能ということです。

ただ、年次有給休暇は時効になる前に取得されるべきものですから、取得が難しい職場環境の改善が第一です。
(買い取り(買い上げ)を制度化するようでは、本末転倒ではないでしょうか。)

posted by アドバイザー at 16:29| 休日・休暇 | 更新情報をチェックする

2011年11月30日

自宅待機

質問

飲食店で、正社員として働いています。
お店は年中無休で、正社員とパートタイマーで切り盛りしています。

私の不満は、休日に自宅待機の日が、設けられていることです。

社員の休日はシフト表で決まるのですが、交替制のような形で自宅待機の日が割り振られます。
(採用の際に、パートタイマーの欠勤等の人員不足に備えて、このようにしていると、説明がありました。)

会社からは、連絡後、2、3時間で出社できる範囲であれば、外出してもらって構わないと言われていますが、私にはとても気になっています。
(出社命令の頻度は、2、3か月に1度ぐらいです。)

休日は気楽に過ごしたいので、自宅待機の日があるのは、本当に嫌なのです。
会社に改善を求めることは、できないのでしょうか?

回答

休日は労働者にとって、労働から解放される日で、私生活のために用いることのできる自由な日です。
会社や仕事のことを忘れて、気楽に過ごしたいあなたの気持ちは、よく分かります。

一方、会社の都合としては、社員を増やすほどではないし、社員を増やせば余計なコストになる、ということでしょう。
正社員なのだから、緊急的な対応を任せるのは当たり前だ、という意識なのかもしれませんね。

さて、本筋に入りましょう。
まず、自宅待機の時間が、法的にどう取り扱われるべきかを考えてみます。

自宅待機といえども、労働者は出社命令に備えていますから、全くの自由ではありません。

そうかといって、自宅待機中に何もできないかといえば、作業義務があるわけでもないので、かなり融通性のある時間だともいえます。

つまりは、自宅待機の時間が、労働時間に当たるかどうか、ということを、考えるしかなさそうです。

正直なところ、はっきりしない話です。
仮眠時間についての判例が、労働時間に当たるとしたもの、当たらないとしたもの、両方あることを考えますと、一概に言える話ではないというのが、本当のところです。

自宅待機をなくすことを会社側に求めても、改善されないということであれば、労働時間に当たること(賃金の支払い)を求めて、訴えを提起する必要があるだろうと考えます。
(裁判は手間がかかりますから、都道府県労働局のあっせんや労働組合の活用で、解決がなされるといいと思うのですが。)

ただ、自宅待機の時間が設けられていることが、労働者のモチベーションにマイナスだということは、はっきりしています。

ですから、自宅待機について特別な手当てを支払うとか、休日を増やすといった、労働者に配慮した労働条件を整備することが望ましいのです。

代替的なようですが、特別な手当てや休日の増設を求めて交渉するというもの、方法だと考えます。

posted by アドバイザー at 10:54| 休日・休暇 | 更新情報をチェックする

2011年08月15日

休日出勤の割増率

質問

1日の所定労働時間が8時間で、完全週休2日制の会社に勤めています。

休日出勤した日の給料の割増率が、25%で計算されています。休日労働だから35%じゃないのかと思い、会社側に尋ねると、「週に1日の休みが確保されているから、時間外と同じで25%でよい。」という回答でした。

これを詳しく教えてください。

回答

労働基準法が定める35%以上の割増率の休日労働とは、いわゆる法定休日に労働した場合を指しています。

労働基準法では、毎週少なくとも1日の休日を要求していますが、これが法定休日に該当します。

ですので、会社側は、法定休日は確保してあるから、もう1日の休日に労働させても、通常の時間外労働と同じ扱いでよい、と解釈していると思われます。

さて、この解釈が正しいか間違っているかは、労働条件を定めている就業規則や労働契約書などの内容次第です。

就業規則や労働契約書などに法定休日が明記されているのであれば、その特定された日は法定休日、もう1日は単なる休日(時間外労働)ということです。

就業規則や労働契約書などに法定休日が特定されず、単なる休日と書かれているのであれば、2日の休日とも出勤した場合に、35%以上の割増率が適用される可能性が出てくることになります。
ここで、適用される可能性が出てくると書いたのは、適用されない場合もあるからです。

例えば、土曜日、日曜日が休日になっている会社で、週の始まりを日曜日としている会社の休日を考えてみてください。

週の最後の日(土曜日)とその次の週の最初の日(日曜日)、つまり連続して出勤しても、それぞれの週で1日の休日が確保されていることになります。

そうすると、毎週少なくとも1日の休日が存在するので、35%以上の割増率を適用せずにすむことになるのです。
(労働基準法では、週休2日制の場合に法定休日を特定することまで要求していないので、このような状況が発生するのです。)

25%以上か35%以上かについては、労働条件を定める就業規則や労働契約書などの内容を、しっかり確認してください。
(会社がごまかしている場合も、あるでしょうから。)

posted by アドバイザー at 14:23| 休日・休暇 | 更新情報をチェックする