2011年01月15日

会社からの損害賠償請求

質問

工場に勤める者です。生産工程の中で機械では対応が難しい部分があり、手作業で行う必要があります。
まれに手作業で失敗してしまうことがあり、その場合は修復が不可能であるため出荷できず、完全なロスとなります。

工場ではロスを発生させた場合に、原価相当の金額を弁償する規則になっているのですが、高額なために困っています。

労働者に弁償させることは、法律的に正当なのでしょうか?

回答

労働法令の中に、労働者への損害賠償請求の金額算定について述べているものはありません。

労働基準法第16条では、「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」と定めています。
この趣旨は、「損害賠償の金額を、前もって決めてはならない。」ということです。
ですので、使用者が労働者に損害賠償を請求することは、禁止されていないことになります。

したがって、民法の規定を基本として、損害賠償を請求することは考えられます。
労働者の労働契約上の債務不履行や不法行為について、損害賠償を求めるということです。

ところで、今回の質問は、債務不履行や不法行為に不法行為に該当するか自体が疑問です。
債務不履行や不法行為に該当するかどうかは、業務内容、労働条件、勤務態度、損害発生の可能性、使用者の損害予防についての配慮などから検討・判断されるべきものです。

労働者が弁償することおよび弁償額について、安易に受け入れる必要がない可能性が考えられます。

ところで、労働者の債務不履行や不法行為の場合であっても、労働者の責任を小さく評価する判例・学説が多いようです。
(労働契約の特性から、このような考え方になっているようです。)

posted by アドバイザー at 11:20| 労働条件 | 更新情報をチェックする